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第十三話 「Exodus Joker」 (10)
 
  G4ハイプリーストが自分の足下を一度ちょん、と指差しておいて岩の梯子を昇り始める。
 「ふむ……確かに『チーム・グラリス全員』と言われたものな」
 G9パラディンがよいしょ、と岩の床から肩に担ぎ上げた『それ』は、ちょうど人間一人分ぐらいの大きさの革袋なのだが……
 いや、どう見ても『死体袋』そのものではないか。
 だが今の2人の会話からは『それ』もまた『グラリス』であるかのように聞こえるのだが……?
 「む……よし」
 穴の底、最後に残ったG9パラディンの身体が、三たびぐぐっ、と床に沈む。
 ハイウィザードやジプシーを投げ上げた時よりも、見るからにその『左足』に大きな力を貯めている。その余波でカプラのスカートがまくれ上がり、隙間から『左足』がわずかに覗けた。
 その足は、明らかに『人間の足ではない』。
 色白、などという可愛らしい言葉では言い表せないほどの、まるで雪を集めて固めたような『白色』。それが異様な形に変形し、スカートの外まで溢れ出す様は、まさに『異形』としか言い様がなかった。
 「はっ!」
 パラディンの気合と同時に、異形の変形を遂げた左足が人外の力を解放し、岩の床を蹴る。だんっ! という重い打撃音を残して、死体袋を担いだままのパラディンが10メートルの高さを一気に上昇。
 その跳躍力こそ驚くべし、穴の縁からさらに1メートルも飛び上がっておいて、再び左足を軸に音も無く着地する。
 この左足、もちろん生身ではない。『義足』である。
 世界で唯一、このG9パラディンのみが持つ『生体義足』、これがその力だ。
 戦場で失った足に代わり、疑似生命『ホムンクルス』の技術を応用して創り出されたこの義足は、それ自体が一個の独立した生命体であり、この女パラディンの肉体との間で、一種の共生関係を構築しているという。
 彼女の夫(アルケミストギルド最大の問題児として、知る人ぞ知る異端のクリエイターだ)が、部分的とはいえ『人体錬成』という大禁忌スレスレの禁術を使って造り出した代物である。
 奇跡の跳躍を終えたパラディンが、はだけたスカートを片手で整え、死体袋を担いだまま立ち上がる。
 そこは目が痛くなるほどの青空のまっただ中。
 遠くに少しの雲と、いくつかの浮遊岩塊を散らした他は、すべて青。
 この絶景を前にしては、元々あまり情緒的な性格ではない、いや世間的な評価で言えばむしろ『堅物(かたぶつ)』と言っていいG9パラディンでさえ、
 (
倖弥(ユキヤ)にも見せてやりたい……ここが牢獄でさえなければ)
 と、長く顔も見ていない夫の顔を思い浮かべてしまう。
 その青色を背にして、『チーム・グラリス』が集結している。
 全員が赤銅色のロングヘア(地毛を染めている者もいれば、ヘアピースを使っている者もいた)、装いはいわゆる『メイド服』に似たカプラの制服とエプロン、そしてヘアバンド。
 加えて眼鏡。
 だが同じなのはそこまでだ。
 長女ディフォルテーを筆頭とするカプラ嬢の他チームでは、それぞれチームごとに背格好をそろえるのが通例で、その容姿も当然ながら『えり抜き』の美女が並んでいる。
 ところがこの『チーム・グラリス』だけは違っていた。
 まず体格からして、男性顔負けのロードナイトがいるかと思えば、逆に中学生レベル、果ては幼児にしか見えない者までバラバラ。
 失礼だが容姿にしても『美人ぞろい』とはとても言えない。人の目を奪うような美女もいるけれど、言っちゃ悪いが見るからにパッとしない、良くて十人並みかそれ以下、いう者まで混じっている。
 玉石混淆、それも『石』の方が多いと言って差し支えない、実に珍妙な集団なのだ。
 だが誤解のないように書いておくが、では彼女らに魅力がないのかと言えば、それは間違いだった。
 とんでもない大間違いである。
 確かに目鼻立ちの整った美女こそ少ないが、例えるなら深海の真珠貝から稀に見つかる、ユニークな形だからこそ極めて高価な変形・変色の真珠にも似た、一目見たら絶対に忘れられない『面構え』が揃っている。
 それより何より、彼女達の真の価値は決して、その見てくれなどにあるのではない。
 それぞれが、それぞれの道で技と知識と経験を極めた、まさにプロフェッショナルの中のプロフェッショナル。自薦他薦はさまざまだが、今という時代において世界最高レベルの技能を持つと認められた女性達。
 残酷とも言える選別の末にたどり着く、カプラ嬢という最高の栄誉を得た女性達を、さらに鍛え磨き上げるために集められた15人、足すことの死体袋が一つ。

 カプラ教導師範部隊『チーム・グラリス』。
 
「いょーし、点呼取るぞ! 番号! 『2』!」
 なぜか勝手に点呼を、それも『2』から始めたのはG2ハイウィザード。

 「10っ!」
 「4」
 「ろーく♪」
 「……」
 「3」
 「15イルヨー」
 「はいはい! 8!8!」
 「9」
 「ねーホントに誰か、タバコ余ってない?」
 「7」
 「あーもう! タバコの話しないで、吸いたくなるから! っと、11っ!」
 「……14」

 いや、フリーダムにも限度というものがあるだろう。
 「ぃよしっ! 全員そろってるな!」
 元気なハイウィザードが大きくうなずく。しかし完全に沈黙したまま者から、明らかに雑談している者までいるのだが、コレで本当に分かったのだろうか?
 「いや魔術師殿、G12がいないぞ」
 ひときわ長身のG10ロードナイトが指摘する。
 やっぱり分かっていなかったらしい。
 「ぬぬぅっ?」
 小柄で華奢な外見に反し、エネルギーの有り余ったハイウィザードの目が吊り上がる。
 「だぁあああ!もぉおおお! 団体行動しろやぁああ!! どこだ出て来い『クマコ』ぉぉぉ!!!」
 絶叫。それに対し、応えはあった。
 「……ほっほ♪」
 風吹き抜ける『イトカワ』の岩の上、どこからともなく笑い声が響く。
 が、その姿は見えない。自分の姿を隠してしまうチェイサーのスキル『トンネルドライブ』を使い、ほぼ常時その姿を消したままという、これまた実に突拍子もない『グラリス』。

 グラリスNo12、師範追撃士(マスター・チェイサー)
 名は、既にハイマジシャンが呼んだ通り『クマコ』。悪漢の巣窟『ローグギルド』からの派遣とくれば、当然のように偽名だろうが、その本名は仲間のカプラ嬢達にさえ公開されていない。

 盗賊『シーフ』から転職する上位職業である『ローグ』、さらにその上位『チェイサー』は、世間で『悪漢』と称される。何せその使用スキルが盗みや殺人といった、見るからに反社会的なモノに偏っているため、これは致し方ないことだ。
 だがそうは言っても、彼らとて人間社会の中で生きて行く以上、一から十まで違法・反社会的な存在ではいられない。国家や教会といった社会秩序を司るシステムを本気にさせれば、彼ら『悪漢』を世界から完全排除することも決して不可能ではないのだ。
 だからこそ、嫌々ながら『ローグギルド』などという『表の顔』を作り、軍や教会の活動に参加したり、Gvに人を送り込んだりして『良い子』の顔も作る。カプラ・グラリスに必ず一人、こうして代表を送り込んでいるのもまた、言うなれば彼らの『社会参加活動』の一環なのだ。
 ただ『顧客の財産を預かる』という性格上、カプラ嬢に悪漢の技が広まるのは対外的にもマズいため、師範とは言ってもカプラ嬢の弟子はいない。むしろ『腕利きの犯罪者に襲われた時、自分の身と顧客の財産を守る訓練の対象』、というややこしい建前が取られていた。
 なお余談ながら、彼ら悪漢の仲間内でこのカプラの師範役は『貧乏くじ』と呼ばれ、揶揄や嘲笑の対象となっている。衆目の中で『良い子ちゃん』を演じなければならないわけだから、これも無理からぬことではある。
 だからこそなのか、このクマコを名乗るチェイサー、『グラリス』として街角に立つ時以外、ほとんど人前に姿を現すことがない。
 「って、こんな時ぐらい顔見せろやああ!!」
 G2ハイウィザードが、姿を隠した相手をあぶり出す魔法『サイト』を展開しながらその辺を走り回るが、
 「ほっほ〜♪」
 不可視のG12チェィサー、まるで意に介していない。当然、姿も現さない。
 「いつもいつも、元気いっぱいでやんすね〜♪ 渦ちゃんは♪」
 G6ジプシーの吞気な声は、全員の感想の代弁である。
 「悪いか!」
 茶化されて、また目を吊り上げるG2ハイウィザードに、 
 「いえいえ、とんでもありんせん♪」
 大輪の向日葵を思わせる、大きな笑顔でひらひらと手を振るG6ジプシー。
 「あっちの穴ん中の『お嬢』ら、そろいもそろって凹み凹みでやんすからね。あちきらだけでも、ひとつ景気良く参ろじゃありんせんか♪」
 ひらり、と両手をさばき、ひょい、と足を高々と上げ、くるり、と一回転。
 いかにもお調子者風のいい加減な動きに見えるが、実は身体の軸に微塵の揺らぎもない。してみると、決してカラ元気や虚勢で言っているわけではない。
 確かに、カプラ社上層部による裏切りで『イトカワ』に囚われた直後は、さすがのグラリス達もショックを隠せなかった。しかしそこはベテラン揃いの技能集団、若いカプラ嬢達より何倍も速く気持ちを立て直し、避難用の洞窟を掘ったり、D1と無代の脱出計画にも腕を振るった。
 特にトップ嬢であるG1スナイパーは、せっかく掘った待避壕にも籠ることなく、低温の強風が吹き抜ける『イトカワ』の上にずっと陣取り、周囲にその警戒の目を光らせ続けている。
 さて、わざとなのか天然か、G6ジプシーの悪ノリのおかげで静まった『イトカワ』の上。
 「……よし、みんな聞いて」
 G1スナイパーの手がすっ、と上がり、次いで遥か彼方の空を指差した。 
 「飛行船が一隻、こちらに向かって来る」
中の人 | 第十三話 「Exodus Joker」 | 12:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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