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第十六話「The heart of Ymir」(32)
 「『阿修羅覇鳳拳』!」
 かっ!
 グラリスNo8チャンピオンの拳に集められた凄まじい気が、気合いと共に飛空戦艦『セロ』を撃つ。同時に、このスキルの特徴でもある『気文字』が、軌跡となって空中に描き出される。
 その前代未聞の威力を象徴するかのように、まさに全天を覆うほどの巨大さ。
 「おお……!」
 長身のグラリスNo10ロードナイトが、感に堪えない、という表情でため息をもらす。
 無理もない。
 それはまさに、幼い日の彼女が慣れ親しんだ聖戦時代の英雄譚、神話の光景そのもの。『師範騎士』となるべくして騎士の規範を主食に、ロマンとファンタジーを副食に育った彼女にとって、彼女がまさに生きたかった世界の顕現であった。
 ご、ばぁっ!!
 G8チャンピオンの拳を食らった船体、その銀色の流体装甲(リキッドアーマー)が、巨大な石を投げ込まれた溶岩のように逆巻き、赤黒い飛沫を上げて波打つ。
 ダメージを受け止め、エネルギーとして保存してしまう高性能ナノマシンの集合体が、ついに保存の限界を超えて飽和した。巨銃エクソダスジョーカーXIIIの連撃に加え、G2ハイウィザードの魔法攻撃とG15ソウルリンカーの禁断の霊撃。
 そして今、G8チャンピオンによる決戦の一撃が加えられた。
 ず……ず……
 無敵を誇った空中戦艦の巨体が、ゆっくりと降下を始める。
 動力炉のエネルギーをすべて、船体に加えられたダメージを保存に転用したため、エネルギーウィングはもちろん、飛行能力さえ失った。辛うじて墜落を免れるために、安全速度で落下するのが精一杯。
 撃沈、まではいかずとも、擱座は間違いない。
 「やんや、やぁんやぁ〜♪」
 虹声のG6ジプシーが、どこから出したか巨大な羽根扇子を軽やかにさばき、勝鬨を上げながら甲板を舞う。海賊が仕留めた敵船を、海中に沈めて海の神に捧げる、その奉納舞だ。
 ここは海ではなく。空の真ん中。
 だが彼女たちは勝った。
 旧式の飛行船『マグフォード』で、無敵の戦前機械(オリジナルマシン)を打ち破ったのだ。
 飛空戦艦『セロ』が、『マグフォード』の眼下へと消えていく。だがその船体には、いまだG8が取り残されたままだ。
 「回収!」
 指揮官のG3プロフェッサーが、勝利の余韻もそこそこに次の手へ移る。
 「準備よし!」
 返事を返したのは神眼のG2スナイパーだ。
 『マグフォード』に備えられたエアアンカー、それを発射する巨大なボウガンに、彼女の手が添えられている。しかし何より異様なのは、ボウガンにセットされたアンカーの上に、人が乗っている。
 覆面のG14ニンジャ、まるでその身体が人身御供でもあるかのように、アンカーにしっかりと括り付けられているではないか。
 「『キリエエレイソン』!」
 隻眼のG4ハイプリーストがバリア呪文を贈る。
 「『ディポーション』!」
 義足のG9パラディンからは、ダメージ転化のスキル。
 「発射!」
 G3プロフェッサー。
 「……イヤーッ!」
 ニンジャシャウトはもちろん、覆面のG14ニンジャ。瞬間、
 ばつん!
 ボウガンの引き金が引かれ、巨大なエアアンカーがG14ニンジャごと射出される。
 ひゅう、と、黒い軌跡が眼下の飛空戦艦へと落下、じゃらららららら、と長い鎖が後を追う。任務のためなら身体も命も捧げて厭わない、忍者ならではの特攻救助だ。
 カラカラカラカラ……
 甲板を転がるのは回復剤の空き瓶。ボウガン発射時の、身体が引きちぎれるほどのダメージを引き受けたG9パラディンが、鎧のマシンガン回復を使った。
 「着弾……あ、だめ!?」
 G14忍者とエアアンカーの軌跡を追っていたG2スナイパーが、緊急事態を告げる。盲目のG7クリエイターと、死神のG13アサシンクロス、いまだ重症のG2ハイウィザードを除く、全員が甲板の縁へ駆け寄る。
 空中戦艦に残された素足のG8チャンピオン、その至近距離にアンカーごと正確に打ち込まれた覆面のG14ニンジャ。
 二人の足が、流体金属に沈みかかっている。
 「イヤーッ! イヤーッ!」
 G14ニンジャの手からクナイが飛び、流体金属を吹き飛ばす。だが一方のG8チャンピオンは阿修羅覇鳳拳の反動で、ほとんど動けない。
 「イヤァァァーッ!!!」
 クナイの連打。だが流体金属を振り切れない。
 沈む。
 「G8、G14!」
 長身のG10ロードナイトが、自分も助けに行かんとばかりにエアアンカーの鎖を握る。
 「……あわてなくても平気だって」
 その背中に、弱々しいけれども意志に満ちた声。
 「G2! 魔術師殿、無事ですか!」
 「大丈夫に決まってるでしょ、アタシくらいになれば」
 回復剤の空き瓶を片手に、ぽい、と放り投げておいて、小柄なG2ハイウィザードが立ち上がる。変形していた顔や骨格は元に戻り、傷もないが、出血した血液があちこちにこびりついて壮絶な有様だ。
 G10ロードナイトが素早く駆け寄り、身体を支える。
 「心配ない。こんな美味しいの、逃すわけないじゃん。アイツが」
 G2ハイウィザードが苦々しげに、だが微かな笑みを浮かべる。
 今しも、沈みゆく飛空戦艦『セロ』の上では、覆面のG14ニンジャまでが流体金属に足を取られつつある。
 その時だった。
 「ほっほ」
 気の抜けた、人を食ったような笑い声がG8、そしてG14の真上から降る。
 アンカーから伸びる鎖の上。
 「ほ」
 姿を現したのはG12チェイサー。不可視の追跡者。
 その抜群の体術を使い、伸びた鎖を誰よりも早く滑り降りてきた。
 「ほっ!」
 抜き放った両手、無数のナイフがきらめき、G8チャンピオン、G14忍者の周囲に雨のように降り注ぐ。
 サプライズアタック。
 ごば!!
 流体金属が一定範囲にわたって吹き飛ぶ。その隙を逃す忍者がいるか。
 「イヤーッ!」
 G14忍者が跳躍し、G8チャンピオンの身体を抱え、一瞬でエアアンカーへと飛び戻る。
 「ほっほ〜」
 すでにG12チェイサーの姿はない。だが、『マグフォード』へと続く鎖を、スゴイスピードで登っていく気配がある。
 『ずらかれ!』
 そういうことだ。
 「イヤーッ!!」
 ニンジャシャウト一閃。覆面のG14ニンジャが裸足のG8チャンピオンを肩に担いだまま、同じく信じられないようなスピードで鎖を登る。
 じゃらららら!!
 鎖が巻き上げられ、アンカーが宙を舞う。飛空戦艦『セロ』が沈んでいく。『彼』にとっては、まさに聖戦以来の災難といえただろう。
 だが『セロ』の災難は、まだ終わっていない。
 「『タートルコア』、行動開始」
 『セロ』の内部、色のない船室の中で、一条流が命令を下したのだ。
 つづく

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中の人 | 第十六話「The heart of Ymir」 | 15:25 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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