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第十六話「The heart of Ymir」(40)

 

 「……見えたっ、ジュノー!」

 飛行船『マグフォード』の甲板上、飛び上がるようにして叫んだのはグラリスNo2、G2ハイウィザードだ。飛空戦艦『セロ』との戦いにおいて、魔力強化剤の過剰摂取を敢行し、一時は生命の危険にさらされた。その時に起きた肉体変異は既に治ったようだが、顔や体のあちこちに残った血痕が、激闘を物語って痛々しい。

 が、本人は至って元気そのもの。

 『マグフォード』の舳先から身を乗り出さんばかりにして、進行方向に広がるシュバルツバルドの大山脈と、そこに係留された巨大な街を指差す。

 空中都市・ジュノー。

 それはルーンミッドガッツ大陸3大国家のひとつ、シュバルツバルド共和国の首都であり、そして飛行船『マグフォード』の最終目的地でもある。

 『ソロモン』『ハデス』『ミネタ』という3つの超巨大岩塊を、標高1800メートルを超えるシュバルツバルド山脈の頂につなぎ留めた姿は、何度見ても天下の奇景だ。

 帰ってきた。

 口には出さないが、甲板に顔をそろえたカプラ嬢、チーム・グラリスの大半が、その感慨にひたる。船内に待機中のカプラ嬢たちも同様だろう。

 浮遊岩塊『イトカワ』を脱出し、空中戦艦『セロ』との死闘をくぐり抜け、彼女たちはついに帰ってきた。

 「でも、本当の戦いはこれからよ」

 グラリスNo1、神眼のG1スナイパーが、気を引き締めるように一言。

 「砂ちゃん、それ最終回フラグでやんす♪」

 余計な茶々で混ぜかえすのはグラリスNo6、虹声のG6ジプシー。

 「で、どこへ降りるの? 『ソロモン』? 『ミネタ』?」

 G2の質問に、

 「『ユミルの心臓』はセージキャッスルの地下。なら直接『ソロモン』に乗り込みたいところですが」

 答えたのはグラリスNo3、月神のG3プロフェッサー。

 「できることなら『ミネタ』の女子寮で装備を整えたい。G9 、G10のペコペコもいますし」

「それは是非にお願いしたい」

 G3の言葉を受けたのはグラリスNo10、長身のG10ロードナイト。

「『グレイシア』は我が半身も同然。戦に臨むには欠かせぬ相棒です」

 力強く訴える声がくぐもっているのは、顔を仮面で覆っているせいだ。『セロ』との戦闘が終わった後、肌の調子を整えるため、顔面に化粧水でパックを施している。髪もワックスを塗り直し、絹の袋にまとめて覆ってある。

 戦の華たるロードナイト、『本番』を前に準備怠りない。

 「ウチの『フィザリス』も、いてくれれば百人力だ。というか、このナリじゃろくに歩けないしなあ」

 白銀に鮮血の赤色を添えた巨大な『ヴェスパー鎧』、その内部から伝声管ごしに声を伝えてきたのはグラリスNo9、義足のG9パラディン。

 「情報通り、無代さんが既に武装させてくれているなら、すぐにでも戦えるだろう」

 「よし、決まりだ!」

 G2が、指揮官よろしく両手を打ち合わせ、

 「じゃあこの船、もっかい飛行船に戻して、一度『ミネタ』に降りる。んで寮でいろいろ積み込んでから、『ソロモン』に突撃! よーそろー!」

 「悪りぃ。それ無理」

 気勢を上げるG2を制したのはグラリスNo5、美魔女のG5ホワイトスミス。

 ダサいヘルメットにオリデオコン製の安全靴、くわえ煙草といういつものスタイルで、甲板にどっかと胡座。

 「無理、ってなによ? 」

 首をかしげるG2に、G5はひらひらと手を振り、

 「戻せねえ」

 「なにが?」

 「飛行船に。この船、一度この形に変形したら、もう戻せねえのよ」

 「はあ……?!」

 G2が素っ頓狂な声をあげる。が、それも無理はない。

 飛行船『マグフォード』は賢者の塔・セージキャッスルが開発した最新鋭艦だ。1つの船体を、2つの気嚢の下にぶら下げた双胴型の飛行船。

 そこから、2つの気嚢が船体を挟み込むよう平行に並ぶよう変形。さらに気嚢内部の気体を反応させ、後方から噴出して進む『錬金型噴式推進器(アルケミカルロケットエンジン)』へと『進化』する。

 まさに世界最新の飛行機械だ。

 だがその能力と引き換えに、一度変形したらもう元に戻せない、という。

 「そりゃまあ、アインブロックの飛行船ドックに入れリャ戻せるけど、前回のテスト飛行じゃ3ヶ月かかったぜ。ドックに入れずに、まして飛びながら戻すなんて無理無理」

 「無理ですね」

 G5の大雑把だが、その分よくわかる説明を受けたのはグラリスNo7、盲目のG7クリエイター。

 「気嚢を元に戻すにしても、気嚢の内部を元の浮遊ガスで満たすには、一度ロケットの噴射口を塞がないとダメ。でもそうしたら?」

 「落ちる……?」

 「正解」

 G2の答えに、人差指を立ててにっこり。が、G2、もちろん嬉しがるどころか、目に見えて青い顔で、

 「じ、じゃあさ。この船、どうやって降りるの……?」

 「……」

 G5。

 「……」

 G7。

 「なんで目を逸らす!??! そうだ、テスト!! テスト飛行やったんでしょ?! そん時はどうしたのよ!!」

 G2が食ってかかるのへ、G5は青い空を見上げ、

 「あん時ゃあ、海の上でやったんだ。最後は胴体着陸したっけなー。ありゃーうまくいった」

 G5、煙草をぷかり。

 「完璧でしたねえ」

 G7、見えない目でにっこり

 「な、なるほど! ……って、どこに海があんのよ!!!???」

 「おお渦ちゃん、ノリツッコミお見事でやんす♪」

 「アンタはちょっと黙ってろ!!」

 G6ジプシーの茶々にG2がキレるが、この場合は仕方ない。

 伝声管のブザーが鳴ったのはその時だった。

 『ブリッジのバークです。G2、着陸についてご説明しましょう』

 どうやら、騒動はブリッジまで聞こえていたらしい。

 「なんか手があんの、船長?」

 『もちろん危険は伴いますが、方法はあります。Z軸噴射による、垂直上昇です』

 バークの説明はこうだ。

 『マグフォード』は、このままジュノーに向かってゆっくりと高度を下げながら接近する。

 そしてジュノーの直前でロケットを最大出力で噴射、ジュノーの岩塊の崖すれすれを垂直に上昇し、島の上部に至る寸前でエンジンの推力をギリギリまで絞る。

 『垂直に打ち上げた矢は、落ちる前に頂点で一度止まる。その停止時間を利用します。エンジンをギリギリで吹かしながら、船を可能な限り空中に静止させる』

 「……その間に船を降りる、ってわけ?」

 『その通りです』

 バークの声は、伝声管越しでも冷静、かつ頼もしい。しかし、G2ならずとも疑問は残る。

 「だとしても、その後、船はどうなるの?」

 『……ご想像にお任せします』

 G2の質問に対して、バークの返答にかかる一瞬の間が、全てを物語っていた。

 「ま、その後、ジュノーに『ケツからそーっと降りる』ってのも不可能じゃねえさ。よっぽど上手くやりゃあ、だが」

 「……」

 G5のフォロー。G7は無言。それが同時に、この計画の行く末を物語る。

 「またイチかバチか、だよもう」

 うんざり顔のG2に、全員が苦笑い。だが、笑わない者も少数。

 「すまないけれど、悪い知らせだ」

 神眼のG1スナイパー。その目は船の後方、遙かに広がるシュバルツバルド山脈に注がれている。

 「『セロ』だ。追ってくる」

 全員の目が、驚愕とともに同じ方向を向く。が、このグラリス・スナイパーの目と同じものが見られる人間はいない。

 「見えないわよ?!」

 「谷底を隠れて進んでくる。風の乱れでわかる。あそこだ」

 愛用の長弓をかざして示すが、もちろん誰も見えない。しかし、この弓手の言葉を疑う者もない。

 風が見える、それこそが彼女の異能だ。

 「このままだと、ジュノーに着く前に追いつかれる!」

 

 つづく

 

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中の人 | 第十六話「The heart of Ymir」 | 15:29 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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