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第十六話「The heart of Ymir」(47)

 「灰雷(ハイライ)ーっ!」

 グラリスNo1・神眼のG1スナイパーが、愛鷹の名を叫んだ。

 武装鷹(アームドホーク)・灰雷。

 最後に『彼女』を見たのは浮遊岩塊『イトカワ』に拉致される前。その時と比べれば、全身をガチガチの対物攻撃装備で固めた今の灰雷は、それこそ普段着のワンピースと全身鎧ほども違う。反射光を抑えた黒灰色の金属装備も、蒼空にあっては目視困難。

 しかし、だからといって見間違えるG1であるはずもない。

 

 ひょう!

 

 灰雷がジュノーの空を駆ける。

 カプラ嬢として街角に立つG1に従い、常にその翼を広げてきた空は、他でもない彼女の縄張りだ。

 そこで勝手は許さない。

 まして彼女が信頼する者たちに、害をなすなど論外。

 

 ぎゅん!

 

 怒りを込めた灰雷の翼が、嘴が、爪が飛空戦艦『セロ』を襲う。今や自慢の流体装甲を失い、飛行するのがやっとの『セロ』に対し、瑞波の無代が万全の武装をほどこした灰雷。決して釣り合わない勝負ではない。

 とはいえ、やはりサイズ感の違いは如何ともしがたい。

 

 ばつん!

 

 灰雷の攻撃は確実にヒットしている。が、『セロ』に与えるダメージの総量で見れば、決して十分とはいえない。

 「来い、灰雷!」

 G1が呼ぶ。

 猟師・ハンターの上級職スナイパーの中で、G1のように武装鷹とコンビを組む者を『鷹師』と呼称する。

 彼女らは、いわゆる一般の鷹匠とは違い、武装鷹との間に一種の精神感応を通わせることができる。武装鷹の視覚や五感を鷹師が共有したり、逆に武装鷹が鷹師の脳を借りて、一時的に知能を引き上げたりすることが可能だ。

 また、例えば騎士が自らの魔力を剣に転化し攻撃力を高めるように、鷹師の持つ魔力を武装鷹に転化することもできる。

 むしろ武装鷹の真の力は、コンビを組む鷹師とリンクした時にこそ発揮される、といってよい。

 「灰雷、来(け)ぇ! リンクだぁ!」

 フェイヨン訛りもかまわず、G1が叫ぶ。冷静沈着を持って鳴るグラリスのトップ嬢をして、珍しく安定を欠いている。

 とはいえ、それも仕方あるまい。

 命を預けてきた飛行船『マグフォード』は、『セロ』との無茶な戦いで空中分解寸前。辛うじて後部アンカーを伸ばし、エンジンを全開にして姿勢を安定させているだけだ。

 まるで風に吹かれるゴム風船。ヒモの先を木の枝に引っ掛けたまま、強風にあおられるゴム風船は、まるで空中に止まっているように見えるだろう。

 今の『マグフォード』は、まさにそれだ。

 この先、この状態を維持したまま、空中都市の上面へ軟着陸する。

 『水に飛び込め。ただし濡れるな』というのに等しい奇跡を起こさねばならない。

 だが。

 「灰雷! 灰雷! どした、返事せぇ!」

 G1の呼びかけが、虚しく宙に消える。

 「どうしました、G1」

 グラリスNo3・月神のG3プロフェッサーが尋ねるが、G1はただ首を振り、

 「わがんね……わからない。灰雷とリンクできない。こんなことは初めてだ」

 G1が混乱している。これも珍しい。

 「……! だめですG1、『セロ』がくる!」

 G3の声が差し迫る。

 灰雷の必死の攻撃にも関わらず、『セロ』が再び降下を始める。やはり大きなダメージは与えられない。

 「ええい、近すぎっさ!」

 巨銃エクソダスジョーカーXIIIに張り付いていたグラリスNo11・双銃のG11ガンスリンガーが、腰の2挺拳銃を両手に引き抜く。

 右が『オロチ』、左が『イヅナ』の名を持つ双銃『シキガミ』は、彼女が師匠から受け継いだ愛銃だ。

 ほとんどバンザイするように真上に構え、がぎん、がぎんと乱射を始める。ついでに、

 「G1、ぼーっとしてないで撃つさ!」

 言葉でG1をどやしつける。巨銃を撃つには近すぎるが、逆に魔法やスキル攻撃で届く距離ではない。届くとしたら銃か弓。あるいはもう一つ。

 「『シールドブーメラン』!!」

 

 ぶぉん!!

 

 広い甲板の隅まで届く起動風に乗せ、『盾』が飛ぶ。グラリスNo9・義足のG9パラディンが、巨大な鎧を重機のように揺らし、左腕の大盾を『セロ』に向かって投擲した。

 守護騎士のスキル『シールドブーメラン』。それをグラリスNo15・小柄なG15ソウルリンカーの『魂スキル』によってブーストし、飛距離を伸ばしている。

 元々、あまり強力なスキルではなく、使われることも少ない技だが、今『セロ』に届く攻撃は多くない。

 大盾が『セロ』を撃ち、そして戻ってくる。

 「ワイヤー、外して!」

 巨大な鎧の中から、伝声管を通じてG9の声。反応したグラリスNo10・長身のG10ロードナイトが、自らの剣を振るう。巨大な鎧を甲板に固定していたワイヤーが一斉に弾け飛ぶ。直後、剣を持ったままのG10が長身をひょい、と屈める。

 その頭上すれすれ、回転する大盾が飛来。 

 「『シールドブーメラン』!」

 ずん、と大鎧の足を甲板に踏ん張り、戻ってきた大盾を掴むや、再び投擲。

 ぶん、と切り裂いた風が、グラリスたちの赤銅色の髪を舞い上げる。

  「でえい、とっとと降りて来い!! 今度こそ灰にしちゃる! あたしぐらいになれば!!」

 グラリスNo2・G2ハイウィザードのセリフは景気良いが、彼女にも無茶な薬物投与でダメージがある。『セロ』ほどの質量をどうにかできるとは、もはや思えない。

 「くっそ……!」

 グラリスNo5・美熟女のG5ホワイトスミスが吐き捨てる。復活したプロペラエンジンを必死でコントロールする彼女にとって、飛行船『マグフォード』にもやや何の力もないことは自明だ。『セロ』から逃げることも、避けることすらできないとわかっている。

 「G3、私たちも!」

 船内からディフォルテーNo1・D1が叫んでいる。カプラ嬢全員でかかれば、というのだろう。が、

 (……無理だ)

 焼け石に水、という言葉しか浮かばない。

 降下してくる『セロ』を排除する間も無く、『マグフォード』は押しつぶされる。

 (ここまでか……!)

 さしものG3が『詰み』を意識した。

 その時だった。

 

 がつん!!

 

 『セロ』の船体を、再び何者かが穿った。そして少し遅れて、

 

 どぉーん!!

 

 発射音。大砲だ。

 「なに?!」

 G3が目を見開き、新たな攻撃者を探す。

 「あそこ!」

 さすが神眼のG1が早い。眼下の空中都市、その石畳の上を指差す。

 「あれは……?」

 「戦車だ! ウチの『バドン』じゃねーか!!」

 G5の声が弾む。自ら手がけた兵器を見間違うはずもない。そして、

 「発光信号!! 『キカン……ノ』」

 「『貴船の帰港を祝す……ムダイ?』」

 「無代さん!!!」

 真紅の髪をなびかせ、D1が甲板にかじりつく。

 

 わあああっ!!

 

 女たちが、カプラ嬢たちが湧く。

 

 うぉおおお!!!

 

 男たちが、船員、そしてアーレィ・バークの歓声までが伝声管を突き破る。

 

 ずどぉん!!

 

 戦車『バドン』が備える2門の主砲が、連べ打ちに『セロ』を撃つ。

 「さすが無代さん、出迎えも派手だ」

 『提督』アーレィ・バークが笑う。

 「『マグフォード』、これよりジュノーに帰港する!」

 

 つづく

 

 

 

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中の人 | 第十六話「The heart of Ymir」 | 14:34 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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