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第十六話「The heart of Ymir」(49)

 

 

 ばきん! がつん! !!!!

 

 飛行船『マグフォード』、その最大の特徴である左右二つの気嚢と、船体をつなぐ連結機構が次々に折れ、あるいはちぎれて空中に散っていく。圧倒的な戦力を誇る飛空戦艦『セロ』との戦いで、ほとんど理不尽ともいえる無茶苦茶な飛行を続けてきたダメージが、ついに船体の崩壊へとつながった。。

 カプラ嬢たちを乗せた船体をもはや支えきれない。

 「落ちちゃう……!」

 グラリスNo2、G2ハイウィザードが叫ぶ。

 着地のチャンスは今、無代たちの砲撃で『セロ』は遠ざかっている今しかない

 「ここだぁ!」

 叫び返したのはグラリスNo5・美魔女のG5ホワイトスミス。

 息を吹き返した4つのプロペラエンジンにしがみつき、メンテナンス用のカバーを次々に素手で引っぺがす。そして自らのカプラ倉庫から何かの装置を取り出すと、まるで殴りつけるような勢いで4つ全てに装着。

 「これが最後、ブっ飛びやがれ! 『カートブースト』……じゃねえ、『アクセラレイション』!!」

 そのスキル名は、今はまだ彼女しか知らない、使うこともできない。

 

 ばすばすん、ばすん!

 

 4つのエンジンが一斉に、一度咳き込むような異音を奏で、排気管から真っ黒な煙が吹き上がる。

 「退避! エンジンから離れろ!! 今度のはケタ違いだ! 巻き込まれても知らねえぞ!」

 G5が、エンジンの周囲にいた甲板員たちに怒鳴り、ついでに仲間のグラリスたちにも注意喚起。そして自分一人残って周囲を指差し確認したあと、最後にダッシュで離脱。エルニウム製の安全靴が、ガンガンと甲板を打つ。

 

 ぶぉ、ぉぉぉおおおああああああああああんんんん!!!!!!!!

 

 エンジンが叫ぶ。真っ黒だった煙が白く、そしていつしか真っ青な、空の色に変わっていく。

 

 ああ!!!ああああ!!!!ああああああああ!!!!!!

 

 今までとは明らかに違う、凄まじい高回転。

 そして、爆風にも似た暴風が、『マグフォード』の甲板を吹き荒れる。

 凄まじい推力を得た船体が、ぐん、と前に押し出される。

 「うお、っとお!!」

 奇声をあげたのはグラリスNo8、裸足のG8チャンプ。頭にかぶっていた赤銅色のヘアピースが風で吹っ飛びそうになった。彼女本来の頭髪は短く刈り込んだ黒髪で、『グラリス』を演じる時のみヘアピースをかぶっている。決して簡単に取れるようなチャチなものではないのだが、チーム・グラリスの大活躍を振り返れば、いろいろと限界にきていても無理はない。

 「もう、邪魔!」

 ヘアピースをヘアバンドごと頭からむしり取り、異次元のカプラ倉庫へ。

 一方、G5は伝声管へ、

 「船長! 持っても1分だ!」

 『了解』

 アーレィ・バークの返事は短い。といって、もはや彼にできることもほとんどない。

 ばきん! ばきん!

 離れ始めていた外側の気嚢に、逆に船体が食らいつく。というより、むしろ食い込んでいく。まだ生き残っていた連結機構の端が、ブスブスと気嚢に突き刺さる。

 「よし! G10、アンカー切れ!」

 「承知!」

 G5の言葉に、グラリスNo10・長身のG10ロードナイトが反応する。

 カプラ倉庫を起動させ、空中から取り出した大剣は魔剣『暴喰(グラ)』。聖戦時代から代々彼女の家・ルーンミッドガッツ王国の名家ラピエサージュ家に伝わる家宝だ。

 「『オーラ』……」

 刀身に闘気を込めるスキルを唱えながら1歩目を踏み出し、2歩目で大上段に振りかぶる。基本に忠実、というより基本そのもの、あらゆる騎士のお手本として一切恥じることのない完璧なムーブメント。

 そして3歩目でダッシュしつつ、目標を正確に斬撃。

 「……『ブレイド』!」

 

 ばつん!

 

 さしも頑丈な『マグフォード』の後部アンカーワイヤーが、根本から綺麗に切断される。

 

 びゅうん……

 

 千切れたワイヤーが、荒れ狂う風の形をなぞりながら飛び去り、そして自由を得た『マグフォード』が最後の飛翔を始める。

 

 ああああああああああああ!!!!!

 

 エンジンが叫び、離脱しかけた二つの気嚢に無理やり身体をあずけるように、船体を前へ、前へと押し出す。

 真下に空中都市。

 都市上面にジュノーの市民がひしめき合い、そして一斉にこちらを見上げているのが見える。ということは、ここは『ハデス』岩塊。空中都市を構成する3つの超巨大岩塊のうち最も小さく、『シュバイチェル魔法アカデミー』など技術・研究関係の施設や企業が集められた岩塊だ。

 「ここ?! 目指してたの、『ミネタ』でしょ!?」

 もはや着陸場所など選んでいる状況でないのは明らか。だが、そこをツッこむのがG2ハイウィザードだ。

 「ここはダメです! 市民を潰してしまう!」

 グラリスNo3、月神のG3プロフェッサーが悲痛な声を上げる。

 どんな形であれ、『マグフォード』の船体が群衆のど真ん中に胴体着陸すれば大惨事は免れない。治癒・蘇生魔法の存在があるとはいえ、蘇生すら不可能なレベルにまで損壊した死体が千人単位で並んでは、いかにチーム・グラリスといっても打つ手はない。

 『マフォード』の高度が落ちる。

 このまま高度を落とせば船底で市民を轢き潰し、最後は魔法アカデミーの建物に激突・四散。

 逆に落とさなければ『ハデス』岩塊を飛び過ぎ、ジュノーの遥か向こう側へ落下する。

 その時。

 甲板上にいた『グラリス』が全員、一斉に動いた。

 かけ声も、アイコンタクトもなく、しかし完璧な連携。全員が、他の全員の思考を正確に理解し、まるで一つの脳、一つの反射神経を共有するように動いたのだ。

 グラリスNo1・神眼のG1スナイパーが、残った前部のアンカーに取り付き、発射用のボウガンを真横に向ける。アンカーは装填済み。

 狙いは『真横』。

 そこに見えるのは『ミネタ』岩塊。巨大なシュバルツバルトの紋章が描かれた中央広場と、そこへ続くジュノーの大門。

 狙う、と言っても、甲板の上はまともに立っていられないほどの振動と揺れ。しかしトリガーを握るのはG1スナイパーその人だ。

 「いけ……!」

 

 ばしゅん!

 

 アンカーが大門目指して飛ぶ。風を裂き、あるいはなぞるように。

 

 がきん!!

 

 アンカーが、大門の根元に正確に突き刺さり、そして大門の端の尖塔に完璧に引っかかった。

 『右旋回! 吹っ飛ぶぞ!』

 バークの声が、全艦に響く。

 グラリスたちがハーネスを再接続。グラリスNo4・隻眼のG4ハイプリーストがバリア呪文を振り撒く。

 グラリスNo9・義足のG9パラディンだけは間に合わない。巨大な鎧を甲板に固定していたワイヤーを、再び張り直す時間はない。

 がつん!

 鎧の踵から、太い杭のようなヒールアンカーが甲板深く打ち込まれる。

 どすん!

 持っていた巨大な盾の、尖った下部を甲板に突き立てる。これで三点支持。

 瞬間。

 

 がぁん!

 

 『マグフォード』の船体が、巨大な拳で真横からぶん殴られたような衝撃。

 アンカーのワイヤーによって、船の向きが強引に変更された。『ミネタ』を中心にとした楕円軌道。

 グラリスたちの身体が真横へ吹っ飛び、鐘が連打されるようなバリアの発動音が全艦を埋め尽くす。

 

 ばぁん!

 

 二つの気嚢のうち、外側の気嚢がついに剥落を始める。あと数秒後には、ちぎれた風船のように行き場を失い、中へ向かって飛び去っていくだろう。

 「アンカー引け!」

 G5の声で、エンジンと直結されたアンカーワイヤーの牽引機構が起動。本来ならとても引けるような状況ではないが、全開を超えて回る今のエンジンなら。

 ワイヤーが引かれ、『マグフォード』の船体が『ミネタ』に向かって引っ張られる。

 『ハデス』を飛び過ぎた『マグフォード』が、大きく弧を描いて『ソロモン』の上を通過。

 「ぶつかる!!」

 G1の警告、直後。

 

 がりん!!

 

 高くそびえたジュノー政庁の尖塔に、『マグフォード』の船艇が引っかかった。

 船艇が削られ、船が大きく傾く。

 大統領府、そして賢者の塔をスレスレにかすめていく。

 「『ミネタ』!」

 G2が叫ぶ。

 

 つづく

 

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中の人 | 第十六話「The heart of Ymir」 | 17:20 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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