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第十六話「The heart of Ymir」(57)

 ごぅぅ……ぅぉおおおお!!!!

 

 双頭戦車『バドン』が、一瞬だけ速度を落として回頭。直後、再び加速して走り出した。

 目指すはセージキャッスル。

 シュバルツバルト共和国首都・空中都市ジュノーを構成する三大岩塊の中で最小のソロモン岩塊で、大統領府と並んで中枢を構成する巨大構造物だ。

 いくつもの尖塔が並ぶ外観から『賢者の塔』の異名を持ち、その地下には戦前機械(オリジナル)『ユミルの心臓』を秘匿する。

 敵の狙いはこの『心臓』だ。

 そして戦車の無代たちの目的もまた、心臓を敵の手から守ることである。

 この世のあらゆる事象に対し、自在に干渉可能な『万能干渉装置』である『心臓』は、現在の人間では制御しきれないまま、ジュノーの周辺に重力異常を引き起こして無数の浮遊岩塊を空に浮かせる一方、近づく人間の精神に作用することで、その人間の潜在能力を解放する。

 これが『転生』と称される現象で、この世に存在する様々な職業を極めた者たちが、さらなる高みへと至るための重要な通過儀礼(イニシエーション)だ。

 セージキャッスルの事実上の主人である放浪の賢者・翠嶺は、この転生のシステムを広く解放した。それにより、力を求めてジュノーを訪れる人間が後を絶たない。

 セージキャッスルの正面、大きく開いた玄関に『扉』が見当たらないのは、この塔に蓄えられた知識と知恵が、広く人類に開かれるべし、との理念を象徴する。

 だが今、その知を独占し、そして邪な目的に利用せんとする輩が扉から内側へと、ゾロゾロこびり付くように侵入している。

 翠嶺が見たら嘆く、どころか瞬時に『冬』と化し、建物ごと焼き払わんばかりに激怒するにちがいない。

 いや、翠嶺でなくともヒゲの大統領を筆頭に、戦車の乗員や親衛隊、少年賢者架綯(カナイ)らシュバルツバルト人にとって、無残に侵略されたセージキャッスルの姿は、どうしようもなく心をえぐる。

 「……畜生」

 戦車の中、誰ともなく悪態が流れる。そこに被せて、

 「声が小せえ!」

 いきなり怒鳴ったのは他でもない、無代だ。

 「声が小そうございますよ、皆さま! そんな声で、大事が成せますか!」

 あおるなり、拡声器のマイクを突き出し、

 「大統領閣下、お手本をお見せ下さいませ!」

 「う、うむ?!」

 いきなり振られたヒゲの大統領カール・テオドール・ワイエルシュトラウスが一瞬、目を白黒。

 だが彼も政治家、決断は早い。

 「うむ! 見ていたまえ諸君! こうやるのだ!!」

 拡声器のマイクを握りしめ、齧り付かんばかりの勢いで、

 

 『よく聞け、侵略者ども!』

 

 があ!!! と、スピーカーが破れ鐘のような音を吹き上げる。

 

 『この国は私の……私たちの国だ! 』

 

 がりがりに割れたその声は、しかしソロモン岩塊の隅々に、さらには残る2つの岩塊にまで響く。

 

 『貴様ら侵略者にくれてやるものなど、石のひとかけら、風のひと吹きもない!』

 

 その声は涙に濡れてかすれ、先ほど見たグラリスNo10・長身のG10ロードナイトの戦口上と比べれば、いや比べるのも気の毒なほどにみすぼらしい。

 だが、

 

 『私たちの国から出て行け! そして2度と戻ってくるな!』

 

 それは人間の声だ。

 カプラ・グラリスたちのような超人でも、翠嶺のような賢者でも、勇者でも、王者でも、まして神でもない。

 

 『故郷の川の橋が壊れたまま直らない。みんなが困っているから、なんとかしたい』

 

 田舎の大工の息子として生まれた、このヒゲの大統領が政治を志す、それが原点だったという。

 長い政治生活と国際政治の波に揉まれ、その純粋さこそ磨り減った。

 しかし、その原点は見失っていない。

 譲れないものは、譲れないのだ。

 

 「出て行け、侵略者ども!!」

 

 つづく

 

 

 

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中の人 | 第十六話「The heart of Ymir」 | 16:29 | comments(0) | trackbacks(0) | pookmark |
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